今日は定期点検の時期でもないのに、スズキアリーナ浦和美園店にやってきました。まあ、タイトルでお察しと思いますが、5年間連れ添ってきた相棒のジムニーを、2回目の車検を期に手放す決断をしました。今までこのブロクでも書いてきた通り、ジムニーが最後の自家用車になるつもりでいたのですが、諸般の事情によりやむなく手放すことになった次第です。
体力の限界という切実な事情
『体力の限界』といえば千代の富士の引退時の有名な言葉ですね。響きとしてはカッコいいんですが、要するにヘタレジムニストの面目躍如、簡単に言ってしまえば『痩せ我慢の限界』ということになります。
私がジムニーを買った当初は50歳でした。ジムニーを乗るからにはある程度痩せ我慢をする必要があることも承知していました。購入当初はそこまで苦痛でもなく、まあ、多少のことはしょうがないよね、といった感じで乗れていたのです。しかし、歳を重ね体力が衰えるにつれじわじわと痩せ我慢がきかなくなってきました。
ジムニーは私が言うまでもなく、オフロードを走ることを第一義として作られた車です。当然ですがオンロードの性能は二の次ということになります。近年両親が立て続けに他界して、これまでなかったほど頻繁に実家を往復することになったわけですが、片道約400km、日帰りで往復800kmを走ることもざらにありました。ジムニーは高速の直進安定性は正直低いです。リジットアクスル式のサスペンションやボール・ナット式のステアリングはオフロードを走破することを第一の目的として採用されています。直進性が悪いということは頻繁に修正舵を入れる必要がありますね。これが、距離が伸びれば伸びるほどジワジワと老体に疲労として降り積もってくるわけです。
また、ジムニー独自のラダーフレームによる鉄骨感といいますか、トラック然とした乗り心地も長距離になればなるほど骨身に滲みるダメージとなります。本当に『骨身に滲みる』という表現がピッタリくるんですよね。軽規格ゆえのシートの小ぶりさもあって、下手をすると旅先での活動自体に影響が出てしまうレベルになってきてしまいました。
そんなこんなで、己の体力の衰えを自覚するにあたり、流石にこのままスパルタンなジムニーに乗り続けるのは厳しいだろうという結論に至りました。
乗り換え先は?
昨年末に新型が発売された『スイフト』こちらが新しい相棒になります。一応ハスラーなども検討してはみたのですが、動力性能は問題ないとしても、やはり軽規格ゆえのサイズ感(正確に言えば横幅)に不安があったため早々に候補から脱落しました。私は軽自動車に乗るのはジムニーが初めてだったのですが、思った以上にサイズ的制約には苦しめられた気がします。それから車高が高い車もあまり得意ではないということに気が付きました。とはいえ、スイフトとて5ナンバーサイズのコンパクトカーですから、目に見えて余裕があるわけでもありません。しかし、シートの作りに明確な違いがあることが試乗した瞬間に感じとれましたね。
他にスイフトに決めた理由としては、欧州を含めてグローバルで販売される車であることが大きいです。欧州で販売するということは、車の基本性能のところで手抜きができないということなので、直進安定性やボディ剛性、足回りといったところもそれ相当の品質が期待できますし、実際に試乗しても非常にすばらしい出来でした。
オサムイズム炸裂の価格設定
グレードはMZの白とガンメタのツートンです。オプションはご覧の通りなんですが、MZグレードは純正ディスプレイオーディオが標準装備なので非常に助かりました。私のようなテレビを1秒も見ない人間には、テレビはたとえオマケでも迷惑な装備でしかないし、ナビはApple CarPlayでなんの不足も感じていないのでホントありがたいです。実は、私がかねてから『究極の安全デバイス』と称している5MTモデルも真剣に考えたのですが、RSグレードが廃止されて、ディスプレイオーディオも選べず微妙に買いづらいMXグレードにしか設定がないということで、やむなく断念することになりました。
今回、生まれて初めて支払金額が下取金額を下回るという未曾有の珍事が発生しました。まあ、下取り車がいまだ納車1年待ちのジムニーという特殊な車ということもあるのですが、最初の見積もりでは支払金額が130万円を超えて下取価格よりも少し高かったのです。まあ、それでも『安心・安全・便利・快適装備』がてんこ盛りで、リーズナブルに思える金額だったので購入に踏み切ったわけですが、いつの間にか値引きされていて最終的には113万円まで下がりました。大きなお世話だと言われそうですが、出たばかりの新型車でこんなに値引きして、ちゃんと利益出てるのか心配になるレベルですよね。
正直商売の素晴らしさ
確か私が中学生だった頃、40年以上前のことになりますが、『スズキアルト47万円』というテレビCMが流行った記憶があります。当時の私は47万円がどれほどの価値なのかよくわからなかったのですが、今にして思えば当時の貨幣価値としても驚異的な価格設定ですよね。スズキ自動車にはこの頃からの精神が連綿と受け継がれているんでしょうね。小沢コージさん的に言えば『お値段以上スズキ』戦略、私の感想で言うと『正直商売』ということに尽きるのではないかと思います。WeWorkやFTXのひどい顛末などを見るにつけ、なおさら正直商売の尊さというものが感じられて頭の下がる思いです。
さて、ジムニーとの付き合いもあと1ヶ月程度を残すのみとなりました。どんな時も心強い相棒として付き合ってくれたジムニーにまずは感謝したいと思います。そして新たなる相棒となるスイフトとのカーライフに幸多きことを願って。
最後までお読みくださりありがとうございます。
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