最近よく見かける『くるまのニュース』のサイトに、『デビューから丸3年 スズキ「ジムニー」がいまだに納車1年待ちの“なぜ?”』という記事が掲載されました。デビューから丸3年といえば、新型というよりは現行型という言い方になるのが一般的ではないかと思います。そして新車ブーストによる人気も一段落して、日本車の一般的なモデルチェンジ・サイクルを考えれば、マイナーチェンジで販売のテコ入れを図ってくるフェーズでしょう。
私も発売から1年程度経てば納車待ちも解消するだろうと思っていました。それが3年経っても納車1年待ちが継続しているとは、異常事態が常態化してしまったと言っても過言ではない状況ですね。記事ではその原因を主として半導体不足に求めています。確かに新型コロナによる半導体不足によって減産となっている事実は、自動車業界共通の問題としてあると思います。ただ、ジムニーの場合、根本的な問題はそこではないという気がするのです。
“へたれジムニスト”の拡大再生産が起きている?
私の見立てとしては、はやりその秀逸なデザインが納期の長さに影響を及ぼしているのだろうと感じています。私は納車時のエントリーで、“10年は確実に戦える”と書きました。今では20年に上方修正してもいいとさえ思っています。目新しいギミックなど何一つない一見すると凡庸なデザインですが、それゆえに飽きが来ず陳腐化しにくいデザインだとも言えます。そして私のようなオフロードは走らないけれどジムニーに乗りたい“へたれジムニスト”が、持続的に拡大再生産される現象が起きているのだと思うのです。たとえ納車に1年かかろうが、デザインが陳腐化しないのだから大した問題ではないのです。
50年作り続けてきたメーカーの見識
そしてメーカーのスズキも、人気があって売れるからといって安易にラインを増設したりせず、じっくりと地道に作り続けています。やはりこれは50年間生産し続けてきたメーカーとしての見識なんでしょう。3枚ドアで使い勝手が悪く、後部座席や荷室も狭く、ラダーフレームで乗り心地も悪い。もともとそんなに台数が出る車ではないことは、メーカーのスズキが身に沁みてわかっていることなんだと思います。
とは言え、今の状況では納車1年待ちは当分続きそうです。購入する人はそんなことは百も承知でオーダーしているわけですから、こういう奇跡的で幸福な販売のあり方もあっていいんじゃないかと思うわけです。
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